その他
2025/08/08 2025/11/06

「フリーランス新法」について

今回は,昨年11月に施行されたフリーランス新法についてご説明します。

この数年,国の内外を問わず,解決する間もなく次から次へと問題が勃発しています。成長と結実の年といわれている2025年乙巳の年も早いもので残り半分を切ってしまいましたが,残りの数か月間に,少しでも平和な世界,平穏な生活に近づくことを祈っております。

「フリーランス新法」は正式には「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」という名称で,企業と取引を行うフリーランスや一人会社を保護する法律です。一般的な労働法の保護が及ばないフリーランスや一人会社が,低報酬や不安定な契約条件に置かれやすいという現状を踏まえ,そのような状況を改善し,待遇を向上させることを目的としています。

保護される対象は,従業員を持たない個人や代表者1名の法人の「特定受託事業者」であり,これらに業務委託を行う企業に対して,契約内容の明示や報酬支払期日の設定,ハラスメント防止などの義務を課しています。

具体的には,契約書の書面化,報酬支払期日を60日以内に定めること,虚偽表示の禁止,妊娠・育児・介護への配慮,ハラスメント対策などです。違反した場合は,公正取引委員会や厚生労働省からの勧告や措置命令,最大50万円の罰金が科される可能性があります。事業者は,契約書の整備や従業員研修,相談窓口の設置など,法令遵守のための体制整備が求められます。

フリーランスの働きやすさと取引の公正性を高めることが期待されています。フリーランスに業務委託している場合は,報酬支払期日等の契約内容について違反がないか見直しましょう。