今回は、令和8年1月1日に施行される改正下請法(法律名も通称「取適法」に変更)の主なポイントをご紹介します。
(1)適用対象の拡大
これまで本法の適用の可否は、親事業者と下請事業者の資本額を基準に決められていましたが、資本金が事業規模の実態を示さない場合もあることから、改正法では、両事業者の従業員数による基準(従業員基準)が追加されました。
(2)対象取引の拡大
立場の弱い物流事業者が荷役や荷待ちを無償で行わされている等の問題があったことから、事業者が運送事業者に対して自社商品等の運送を委託する取引を、新たに「特定運送委託」として適用対象としました。
(3)「手形払」等の禁止
これまでは手形期間が60日を超える手形払いが禁止されていましたが、改正法ではさらに下請代金の支払手段として手形を用いることが全面的に禁止となりました。電子記録債権やファクタリングについても、支払期日までに代金に相当する金銭(手数料等を含む満額)を得ることが困難なものは禁止となりました。
(4)協議に応じない一方的な代金決定の禁止
代金に関する協議に応じないことや、必要な説明を行わないことなど、一方的な代金決定が禁止となりました。
以上、改正点の一部をピックアップしましたが、字数の関係でご紹介できなかった改正事項もあります。気になる請負・委託取引を抱えておられましたら、当事務所の弁護士にお気軽にご相談ください。
2025/10/21
2025/11/06