Legal Column
リーガル・コラム

労働関係

フリーランス新法について

本年5月12日、「フリーランス・事業者間取引適正化法」いわゆる「フリーランス新法」が公布されました。

この法律は、フリーランスが安心して働ける環境を整備するため、①フリーランスと企業などの発注事業者の間の取引の適正化と、②フリーランスの就業環境の整備を図ることを目的としています。

ここにフリーランスとは、業務委託の相手方である事業者で、従業員を使用しないものを指します。他方、発注事業者とは、フリーランスに業務委託する事業者のことです。

なお、契約の名称が「業務委託」であっても、働き方の実態が労働者である場合には、この法律は適用されず、労働基準法等の労働関係法令が適用されます。

発注事業者がフリーランスに業務委託をする場合には、発注事業者に次のような義務が生じますが、発注事業者が従業員を使用しているか否か、発注する業務が継続的業務か否かで、どこまでの義務を負うかが異なります。

義務の内容を列挙しますと、①書面による取引条件の明示、②報酬支払期日(60日以内)の設定・期日内の支払、③禁止事項(発注後の報酬減額、返品の禁止など)、④募集情報の的確表示、⑤育児介護等と業務の両立に対する配慮、⑥ハラスメント対策に係る体制整備、⑦中途解約等の事前予告(原則30日前まで)があります。

発注事業者が従業員を使用していて、フリーランスに継続的業務を委託する場合は、以上の全ての義務を負うことになります。

フリーランスに業務を委託される場合は、きっちりと契約書を交わすことがまずは大事になると思います。

この法律は、来年(2024年)秋までに施行される予定です。